コロンブス・イヤーにちなんで、“新大陸”アメリカを代表する都市ニューヨークを舞台に、都会の四季おりおりの自然や、その中に暮らす人々の生活、さらにホームレスやゴミ問題などをレポートする。◆コロンブスのアメリカ大陸到達から５００年、アメリカには１２０をこえる民族が住み、多くの文化が混在し、底知れぬエネルギーを生みだしている。そのシンボルともいえるニューヨークは季節により、日により、時間によっても表情を変える。摩天楼にはハヤブサが棲み、ビルの跡地で一坪農園が営まれているなど、自然は意外な処に残っている。

大正末期から昭和初期にかけての日本では、世相と向き合い、時代そのものをキャンバスに描き残し、志半ばで病に倒れた若い画家が多かった。昭和の初め、東京の池袋に芸術家集団のアトリエ村を作り、新しい芸術運動に燃えた画家たちがいた。松本俊介もその一人だった。戦争激化の中でも画家の主体性を堅持した俊介。夭折した前途有為の画家たちの青春像を、松本俊介の生きざまや制作環境を通して追慕する。◆松本俊介（１９１２～１９４８）「Ｙ市の橋」１９４４、「立てる像」１９４２、「並木道」１９４３、「鉄橋附近」１９４５、「議事堂のある風景」１９４２、「建物」１９３５、「都会」１９３９

漂泊の歌人・西行（１１１８～１１９０）の生涯を、遁世歌人として時々の心情を託した和歌を交えつつ、たどる。◆待賢門院璋子とのかなわぬ恋により２３歳で突如出家、世捨て人となり各地に庵を結びつつ、人生のはかなさからの解脱を願う余生を持った。西行は満開の桜の下で一生を終えたいと歌い、その歌の通り桜の花の散る中で死んでいった。◆【国宝】一品経懐紙〔個人〕、宝簡集〔金剛峯寺〕◆【その他】春日権現験記絵〔東京国立博物館〕、崇徳上皇肖像画〔白峰神社〕、西行物語絵巻〔徳川美術館〕

週刊誌の中吊り広告のコンテストや、街頭の若者に料理や工作などに挑戦してもらうコーナー、巷の噂を追跡するコーナーなどで構成された情報バラエティ。◆“今週の中吊り大賞”は「日本全国お下劣マップ」という特色ある記事の迫力で「週刊プレイボーイ」に決定。“平成の常識やって！ＴＲＹ”では北海道札幌市の大通り公園で若い男性たちに大工道具の「カンナ」仕事に挑戦してもらう。“噂の現場”は、４年前に都バスの路線が廃止されて以来不便を強いられているお年寄りの声を取材。階段の多い地下鉄の利用は困難なため地域の老人会では路線復活を求めているが、行政側では赤字路線の運行は困難という。現地取材や体験レポートを交えて報告、討論する。

戦後、外国人の立ち入りが禁止されていた千島列島を、ＮＨＫ取材班がロシア科学アカデミーの研究調査船に同乗して撮影した記録。◆全長１０９０キロ、大小２５の島々が連なる千島列島。海にはラッコやアザラシが群れをなし、空には２００種の鳥が飛び交う。また島々にはアイヌ民族や日本人の足跡も残されている。北緯５０度を越えるアライド島から北方領土を臨むウルップ島まで、海中撮影を含めて自然の楽園と歴史をたどる４０日の旅。

各界の著名人の“交遊録”を軸に、出会い、別れ、愛憎など、人と人との深い結びつきを描きだす。（１９９２年４月３日～９３年３月２６日）◆今回は、作家の立松和平と歌人の福島泰樹。

　「場」には陽気の場と陰気の場があるが、弔いは陰気の場の代表である。悔やみの席での言葉は「何と申し上げたらよいのやら…」が一番という。悔やみの席に来た男が、何事につけても自分の女房ののろけを言うのが癖で、悔やみの言葉もどこへやら、自分の嫁ののろけを言い出す。

妹の死を機に、医師・青洲が試作した麻酔薬を、母と妻は危険をかえりみず争って自らに試す。女の意地と人としての使命感が入り混じった二人の女の生き方を描く。◆青洲は妹を乳ガンで亡くしたのを機に麻酔薬を作ろうと決意した。４年の後、猫を使った実験に成功するまでにこぎつけるが、猛毒を調合した薬は危険すぎて人間には試せない。青洲の役にたちたいと母・於継と妻・加恵はわが身で実験をと申し出る。言いだしたらきかない於継に、青洲は眠り薬を投与して加恵には麻酔薬を試す。加恵は三晩眠り続け、実験は成功した。於継より役に立ったと勝ち誇る加恵の眼に副作用が襲いかかる。